<五輪フィギュア>夢追う姿勢に観客共感…ペアの川口選手(毎日新聞)

 【バンクーバー大前仁】15日(日本時間16日)のバンクーバー冬季五輪フィギュアスケート・ペアのフリー演技で、ロシア代表の川口悠子選手(28)は総合4位になり、あと一歩でメダルに手が届かなかった。だが日露両国のファンは国籍を変えてまで五輪への夢にかけた川口選手に惜しみない拍手を送った。

 ロシアと日本、両方の応援団の声援を背に、真っ赤な衣装の川口選手がアレクサンドル・スミルノフ選手(25)はリンク中央へ滑り出した。しかし応援の拍手は、すぐに落胆のうめき声に変わる。川口選手、スミルノフ選手が次々とジャンプの着地に失敗。あっという間に4分半の演技時間が過ぎた。

 「ごめんね」。リンクから上がる時、川口選手はスミルノフ選手に声をかけた。相手の言葉は覚えていない。

 順位は前日の3位から一つ落ちた。会見では「(次のシーズンについては)まだ分からない」と淡々。ここに至るまでの思いや、五輪の感想などの質問には答えず、この日の演技に関してしか話さなかった。強い性格の持ち主だけに湿っぽいことは言いたくなかったのかもしれない。

 川口選手のペアは、07年ごろからロシア国内で頭角を現した。五輪も夢じゃない、と思えた。しかしロシア代表で出場するなら、日本国籍は維持できない。日本の外務省やスポーツ界の関係者に相談したが、最後は自分ひとりで結論を出すしかなかった。やっぱり五輪に出たかった。「ずっと悩んできたけれども、日本国籍を捨てることは仕方がない」。09年2月にロシアのパスポートを取得。そうして、やっとつかんだ代表の座だった。

 競技では敗者と言われるかもしれない。しかし会場にいた日露両国の多くの観客が、川口選手に共感した。30歳のロシア人男性は「立派なロシア代表だし、以前の国籍は関係ない」と語り、広島から来た26歳の女性は「スケートに対するストイック(禁欲的)な姿勢が素晴らしい」と話した。メダルはなくとも人々の心に、何かを残すことはできた。

【関連ニュース】
バンクーバー五輪:整氷車、聖火台が故障…トラブル続き
五輪スピード:「育ての親」見守る 穂積、石沢選手
五輪スピード:加藤「金取れず悔しい」2回目好発進も失速
五輪スピード:お家芸復活だ 長島・銀、加藤・銅に大歓声
五輪スピード:「雑草」と「天才」 トリノの雪辱果たす

調布市議が救命術を学ぶ(産経新聞)
世界最高齢のユキヒョウ死ぬ=21歳9カ月−名古屋・東山動物園(時事通信)
<ソフトバンク>「王貞治ミュージアム」7月開館(毎日新聞)
<本山葬>筒井寛秀さん=3月29日午後1時、東大寺本坊(毎日新聞)
<漁船銃撃>船長2人を送検 北海道羅臼海保署(毎日新聞)
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。